原油高抑制、主要国の結束強調=石油備蓄放出―米大統領 2021年11月24日

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は23日、ホワイトハウスで演説し、原油やガソリン価格の高騰に対応するため、日本や中国、インドなどの主要消費国と共に石油備蓄を放出すると正式発表した。バイデン氏は「協調行動で原油高を抑え込む」と結束を強調し、米国として過去最大の5000万バレルを放出すると明らかにした。追加放出も排除していないが、産油国の反発を招く可能性もある。
 主要国が原油高対策として石油備蓄を協調放出するのは史上初。新型コロナウイルス危機からの景気回復に伴う需要拡大と産油国の供給抑制により、原油価格は10月に約7年ぶりの高値を付けた。備蓄の放出で供給量を増やして価格上昇に歯止めをかける。バイデン氏はインド、日本、韓国、英国から協調放出について同意を得たと説明。中国も同様の措置を取るとの見通しを示した。
 米国は世界の1日の平均石油消費量の半分に相当する5000万バレルを市場に供給する。政府高官は「必要ならばさらなる行動を取り、各国と連携して権限を最大限活用する用意がある」と述べ、協調放出の拡大も視野に入れるとした。 

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演説するバイデン米大統領=23日、ワシントン(AFP時事)
演説するバイデン米大統領=23日、ワシントン(AFP時事)

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