キルギスとタジク、軍衝突=国境地帯の水争い、死者31人 2021年04月30日

 【モスクワ時事】旧ソ連構成国のキルギスとタジキスタンの国境地帯で29日、双方の軍部隊が衝突した。キルギス保健省は30日、キルギス側の死者が31人に達したことを明らかにした。負傷者は150人以上に上った。タジク側も死傷者が出ているもようだ。
 キルギス外務省は双方が29日夜からの停戦で合意したと発表。両国の外相は「挑発に屈しないよう」呼び掛けたが、その後も散発的に銃撃が続いている。キルギスのジャパロフ大統領とタジクのラフモン大統領は30日に電話会談し、緊張緩和策を協議した。インタファクス通信によると、2万人を超えるキルギス住民が国境地帯から避難した。
 キルギスのメディアによれば、キルギス南西部バトケン州にある給水施設をめぐり、28日以降、双方の住民の対立が激化した。タジク側は給水施設のある地域は自国領と主張。住民同士の投石が始まり、軍部隊の衝突に発展した。 

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30日、キルギス南西部バトケンで、国境の戦闘地域から逃れてきた避難民たち(AFP時事)
30日、キルギス南西部バトケンで、国境の戦闘地域から逃れてきた避難民たち(AFP時事)

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