輸出8.4%減=新型コロナ響く―20年度貿易収支 2021年04月19日

 財務省が19日発表した2020年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年度比8.4%減の69兆4873億円だった。12年度以来8年ぶりの低い水準で、減少率はリーマン・ショック後の09年度以来の大きさとなった。新型コロナウイルス感染拡大による世界経済の停滞が影響した。
 輸出の減少は2年連続。米国向けが16.5%、欧州連合(EU)向けが12.5%それぞれ減少した。自動車や同部品、航空機部品の落ち込みが目立った。経済の持ち直しが早い中国への輸出は9.6%増。非鉄金属や半導体製造装置、プラスチックが伸びた。
 輸入は11.6%減の68兆1803億円。原油や液化天然ガスなど資源関連が振るわなかった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆3070億円の黒字で、3年ぶりに黒字に転じた。
 同時発表された21年3月の輸出額は前年同月比16.1%増の7兆3781億円だった。中国向けは4割増の1兆6344億円で、昨年12月以来単月として過去最高を更新。米国やEU向けも伸びた。貿易収支は6637億円の黒字だった。 

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