マスク氏、反ユダヤ同調が波紋=アップルがX広告停止 2023年11月18日 14時29分

イーロン・マスク氏=9月13日、米ワシントン(AFP時事)
イーロン・マスク氏=9月13日、米ワシントン(AFP時事)

 【シリコンバレー時事】X(旧ツイッター)オーナーで実業家のイーロン・マスク氏が反ユダヤ主義的な投稿に同調したことが波紋を広げている。同時期に非営利団体が、企業広告の隣にナチス・ドイツを称賛する投稿が掲載されていると指摘したこともあり、17日までの報道によると、アップルなどが広告掲載を停止した。ホワイトハウスも非難声明を出す事態に発展している。
 マスク氏は15日、利用者が「ユダヤ人コミュニティーは、自らに向けるのをやめるよう主張してきた手法で、白人憎悪を押しつけてきた」などと記した投稿に「あなたはまさに真実を言った」と応答していた。
 背景にあるのは、ユダヤ人の権利保護団体とのあつれき。マスク氏が昨年ツイッターを買収して以降、Xの収益が低迷している。マスク氏は、団体が反ユダヤ主義的な投稿の増加を指摘していることが広告主離反の原因だと批判していた。
 16日には、別の団体がX上でナチス・ドイツを宣伝する投稿の隣に、アップルなど5社の広告が掲載されたと報告した。米英のメディアによると、アップルやIBMが広告停止を決めた。ホワイトハウスの副報道官も17日、「反ユダヤ主義の背後にある醜悪なうそを繰り返すことは容認できない」との声明を出した。
 Xは、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの軍事衝突開始以来、偽情報や人種差別の温床となっていると指摘されてきた。Xは14日、ハマスのアカウントの削除など対策を説明したばかりだったが、オーナー自身がこれに水を差した形だ。 

米国シリコンバレーニュース(最新10件)