医療物資のガザ搬入訴え=米特使、イスラエル訪問へ―WHO 2025年07月31日 14時25分

【カイロ時事】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は30日、パレスチナ自治区ガザとイスラエルの境界にあるケレム・シャローム検問所に、隣国エジプトからトラック10台分の医療関連物資が到着したと明らかにした。その上で、「(ガザに)継続的に医療物資を運び込むことが決定的に重要だ」と述べ、イスラエルに対して物資の搬入拡大を求めた。
イスラエルは3月、ガザへの支援物資搬入を全面停止。5月に一部再開されたものの、WHOによれば、医療物資は6月下旬まで許可されず、依然として極度に不足しているもようだ。
テドロス氏はX(旧ツイッター)で「われわれは医療物資が持続的かつ安全に、妨害されずにガザに届くこと、そして停戦を求める。和平が一番の薬だ」と強調した。
一方、イスラエルのメディアによると、ガザ停戦交渉を仲介する米国のウィトコフ中東担当特使が31日、イスラエルに到着した。交渉は先週、米国とイスラエルがイスラム組織ハマス側の意欲の欠如を理由に、それぞれ交渉地のカタールから代表団を引き揚げ、行き詰まりの状態に陥った。
ウィトコフ氏はこれを受け、ハマスが拘束する人質の解放に向け「代替案」を検討するとしていた。米当局者はAFP通信に「ウィトコフ氏はガザの状況を解決するための次のステップを(イスラエル)当局者と協議する」と説明した。