ウクライナ高官、日本で施設視察=障害者就労支援の実例学ぶ 2025年07月14日 20時13分

障害者就労支援施設を視察するウクライナのジョルノビチ社会政策相(中央)ら=14日午後、埼玉県所沢市
障害者就労支援施設を視察するウクライナのジョルノビチ社会政策相(中央)ら=14日午後、埼玉県所沢市

 来日中のウクライナのジョルノビチ社会政策相らが14日、障害者の就労支援を行う国立職業リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)を視察した。ロシアによる侵攻の影響で障害者の自立支援が社会問題として深刻化する中、国際協力機構(JICA)が政府高官らを招き、日本での取り組みを紹介した。
 戦時下のウクライナは、障害者支援に十分手が回らない状況に陥っている。ジョルノビチ氏は冒頭あいさつで、障害者が「通常の生活や仕事に復帰できる環境を整えなければならない」と訴えた。施設見学では、通所者がプログラミングを学んで作成した自動運転の模型車の様子などを視察。職員らとの意見交換も行い、障害者支援に関する日本の法制度や財源について質問が相次いだ。
 当局が把握している情報では、ウクライナでは2022年2月の侵攻開始以来、障害者が約10%増加。24年11月時点で300万人以上とみられるが、国内に「求人紹介や職業訓練ができる施設がない」(視察参加者)という。 

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