北朝鮮の攻撃誘発画策か=尹前大統領疑惑で捜索―韓国検察 2025年07月14日 17時14分

韓国の無人機とされる写真=2024年10月に朝鮮中央通信が配信(朝鮮通信・時事)
韓国の無人機とされる写真=2024年10月に朝鮮中央通信が配信(朝鮮通信・時事)

 【ソウル時事】韓国の特別検察官は14日、尹錫悦前大統領が「非常戒厳」宣言の口実をつくるため北朝鮮の平壌に無人機を飛ばし、北朝鮮の攻撃を誘発しようと画策した疑いがあるとして、国防省やドローン(無人機)作戦司令部などの軍関連施設、計24カ所を家宅捜索した。尹容疑者の外患容疑を巡る捜査が本格化した。
 北朝鮮は2024年10月、韓国軍が複数回、平壌上空に無人機を送りビラを散布したと主張。平壌に墜落した韓国軍の無人機とする写真も公表したが、韓国軍は事実関係の確認を避けていた。
 特別検察官は、尹容疑者が戒厳宣言の要件となる「国家非常事態」をつくるため、無人機を送り込むよう軍に指示した可能性があるとみて、多数の軍関係者を聴取した。韓国メディアによると、「指示があった」とする将校の録音記録も確保したという。
 刑法は、外患罪に関連して複数の罪を規定している。特別検察官側は14日、記者団に「現時点では事実関係を調べている段階だ」と語り、適用する罪状については検討中だと説明した。
 死刑または無期懲役が科される「外患誘致罪」の適用には、北朝鮮と意思疎通して攻撃を起こさせようとしたことを示す必要があり、立証のハードルが極めて高い。このため、立証のハードルが低い「一般利敵罪」の適用も検討しているもようだ。同罪は韓国の軍事上の利益を害した場合に3年以上の懲役を科すと定める。 

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