ガザの緊急車両攻撃は「過失」=「視界不良」で誤認―イスラエル軍 2025年04月21日 06時27分

【カイロ時事】イスラエル軍は20日、声明を発表し、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファで3月23日に発生した軍による緊急車両への攻撃について「職務上の過失があった」と結論付けた。攻撃ではパレスチナ人の救急隊員ら15人が死亡。軍は作戦を命じた副司令官を、報告義務を怠ったなどとして解任する。
イスラエル軍は当初、無灯火の不審車に銃撃したとして攻撃を正当化。しかし、パレスチナ赤新月社などが警光灯をともした緊急車両が集中砲火を浴びる映像を公開すると批判が高まり、軌道修正に追い込まれた。
声明によると、部隊は夜間の作戦中、イスラム組織ハマスの車両と判断した車1台を銃撃。約1時間後、救助のため現場に到着した消防車と救急車も攻撃した。副司令官は視界不良で緊急車両を認識できず、「差し迫った脅威」を感じて発砲を命じた。その後、国連車両にも銃撃を加えた。
軍はその上で、殺害した15人のうち6人は「ハマスのテロリスト」だったと改めて主張。ハマスは緊急車両を使って戦闘員や武器を輸送していると訴えた。
ただ、AFP通信によると、軍は遺体から武器は発見されなかったと説明している。パレスチナ赤新月社の報道担当者は「(イスラエルの調査は)うそだらけだ」と批判。殺人を正当化し、個人に責任を押し付けていると指摘した。