米発給ビザの性別に反発=トランスジェンダー議員―ブラジル 2025年04月17日 06時48分

ブラジルのエリカ・ヒルトン連邦下院議員=(連邦議会サイトより・時事)
ブラジルのエリカ・ヒルトン連邦下院議員=(連邦議会サイトより・時事)

 【サンパウロ時事】ブラジルで、出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーの女性政治家が、米国政府から出生時の性別の「男性」として渡航ビザの発給を受けたことに反発している。「性別は生物学的な男女のみ」として、多様性に背を向けるトランプ米大統領の方針が外国でも波紋を広げている形だ。
 この政治家はエリカ・ヒルトン連邦下院議員(32)。地元メディアなどによれば、ヒルトン議員は今月12日に米ハーバード大学などで予定されたイベントに公務として参加するため渡米を計画。性別を女性に変更した出生証明書などの書類を添え、在ブラジル米国大使館にビザを申請した。
 2023年に発給されたビザと異なり、今回は性別が「男性」になっていた。渡航を取りやめたヒルトン議員は16日、X(旧ツイッター)に「懸念しているのは、ある国が公式文書を無視し、その時の大統領の主張や願望に従って権利を奪っていることだ」と投稿した。こうした権利の剥奪は「トランスジェンダーにとどまらない」として、今後は国外でも活動しトランプ政権を批判していく方針だ。 

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