日本、AUKUS演習に立ち会い=無人艇開発への参加視野 2024年10月29日 15時01分
【シドニー時事】米英オーストラリア3カ国は今月、安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」で開発を進める無人艇を使った軍事演習を豪近海で行った。AUKUSの先端技術協力のパートナー候補となっている日本もオブザーバーとして立ち会った。近い将来の技術協力への正式参加を視野に入れた動きとみられる。
豪国防省によると、米英豪軍は10月下旬までの約20日間、豪南東部ジャービスベイの基地と近海で演習を実施。無人の水上艇や潜水艇、グライダーを使用し、攻撃や偵察での実用化に向け試験を行った。日本からは海上、陸上の両自衛隊員と防衛装備庁の職員がオブザーバー参加し、自動運航技術などを巡り意見を交わした。
米英豪は、原子力潜水艦の豪軍配備計画と並行し、AUKUSの「第2の柱」として先端技術協力を推進。艦艇・航空機の無人システムのほか、極超音速兵器やサイバー・宇宙分野などで技術開発に取り組んでいる。4月に岸田文雄首相(当時)とバイデン米大統領は、AUKUSと日本の技術協力の方向性を確認。米英豪は海上自動運航システムを連携の第1弾と位置付けている。
AUKUSの技術協力には、韓国やニュージーランド、カナダも参加を模索。豪国防省は「第2の柱を通じて抑止力を向上させ、インド太平洋や域外の安全保障を推進していく」としている。