プラボウォ大統領、迷彩服姿で閣僚研修=「軍隊方式」に批判も―インドネシア 2024年10月29日 04時57分

25日、インドネシア中ジャワ州マグラン県の陸軍士官学校で行われた閣僚研修で、迷彩服姿で講師を務めるプラボウォ大統領(大統領府提供・時事)
25日、インドネシア中ジャワ州マグラン県の陸軍士官学校で行われた閣僚研修で、迷彩服姿で講師を務めるプラボウォ大統領(大統領府提供・時事)

 【ジャカルタ時事】インドネシアのプラボウォ大統領が20日の就任後、新政権の閣僚らを士官学校に集めて行った研修が、同国で物議を醸している。元軍人のプラボウォ氏をはじめ全員が迷彩服を着用し、一斉に敬礼する様子が報じられ、地元メディアは「軍隊方式で実施すべきではない」「軍事政権のようだ」などと批判する識者の声を伝えている。
 プラボウォ氏は24日、中ジャワ州マグラン県の陸軍士官学校に到着。27日までの研修では、自ら迷彩服姿で講師を務めるなどした。
 プラボウォ氏は1974年に士官学校を卒業。同じく軍人出身で独裁体制を敷いたスハルト政権で、陸軍特殊部隊司令官や陸軍戦略予備軍司令官などを歴任した。反政府活動家の拉致にも関与したとされ、98年のスハルト政権崩壊後に軍籍を剥奪された。
 迷彩服姿の研修について、自衛隊に在籍したことのある日本人男性は「自らの経験に基づき、一体感を高めるために有効だと思ったのでは」と指摘。防衛関係のインドネシア人アナリストは「内閣が軍隊方式で研修を実施したのは初めて。(意思決定が)トップダウンになる恐れがあり、インドネシアにはふさわしくない」と話している。 

その他の写真

26日、インドネシア中ジャワ州マグラン県の陸軍士官学校で行われた閣僚研修で、迷彩服姿で行進する閣僚ら。前列右から6人目がプラボウォ大統領(大統領府提供・時事)
26日、インドネシア中ジャワ州マグラン県の陸軍士官学校で行われた閣僚研修で、迷彩服姿で行進する閣僚ら。前列右から6人目がプラボウォ大統領(大統領府提供・時事)

海外経済ニュース