ハリス氏、中絶争点に勝負=ビヨンセさんも応援入り―米大統領選 2024年10月26日 14時49分

25日、米テキサス州ヒューストンで開かれた選挙集会で、ハリス副大統領(左)と抱き合う歌手のビヨンセさん(EPA時事)
25日、米テキサス州ヒューストンで開かれた選挙集会で、ハリス副大統領(左)と抱き合う歌手のビヨンセさん(EPA時事)

 【ワシントン時事】ハリス米副大統領(60)は25日、南部テキサス州ヒューストンの演説で「生殖に関する自由が投票箱にかけられている」と訴え、大統領選に向け人工妊娠中絶の権利を守る決意を前面に打ち出した。人気歌手ビヨンセさんも応援に駆け付け、会場を沸かせた。
 終盤に入った選挙情勢は接戦のままこう着。ハリス氏は女性や若年層が重視する中絶問題を積極的に争点化することで、局面打開を目指した。ビヨンセさんはハリス氏への支持を表明し、「不和や絶望はもう響かない。尊厳と機会という新しい歌を歌う時が来た」と投票を呼び掛けた。
 テキサスは共和党支持が強く、大統領選の激戦州には数えられていない。投開票間近の訪問は、同州で中絶を事実上禁止する厳しい規制が導入され、妊婦や医師が困難に直面していることが理由だ。ハリス氏は、トランプ前大統領(78)が勝利すれば全米で規制がさらに広がると警告し、中絶の権利を定めた連邦法制定を公約に掲げている。
 一方、トランプ氏はこの日、男性や若者に人気のポッドキャスト番組に出演。大統領選では女性がハリス氏を、男性がトランプ氏を支持する傾向が鮮明となっており、両陣営が支持基盤をてこ入れした形だ。
 25日に公表されたニューヨーク・タイムズ紙の世論調査によると、ハリス氏とトランプ氏の全米の支持率はいずれも48%で並んでいる。 

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