イスラエルに停戦努力要求=ハマス指導者殺害は「好機」―米国務長官 2024年10月23日 19時35分
【カイロ時事】ブリンケン米国務長官は22日、イスラエル入りし、同国のネタニヤフ首相と会談した。ブリンケン氏は先週イスラエル軍が殺害したイスラム組織ハマスの最高指導者シンワル氏に言及し、「シンワル氏が死亡したことを今後に生かす必要性」があると強調。停滞中のハマスとの停戦交渉を再び前進させるための努力を求めた。
バイデン米政権は、パレスチナ自治区ガザでのシンワル氏の殺害について、停戦実現への「好機」と捉えている。ネタニヤフ氏も会談で「人質解放に前向きな影響を与える可能性がある」と述べた。両者は戦後のガザの統治構想に関しても協議した。
ガザでは昨年10月の戦闘開始以降、イスラエル軍の攻撃で4万2000人以上が死亡。うち1万4000人ほどが子供とされる。人道支援物資の不足が深刻で、国連児童基金(ユニセフ)報道官は「ガザは地獄」との認識を示している。
ブリンケン氏はネタニヤフ氏との会談で、ガザ全域に支援が届くよう、「イスラエルが追加的措置を講じるべきだ」と訴えた。米当局者はAFP通信に、ネタニヤフ氏が米側の働き掛けに「真剣さ」を示したと語った。
また、ブリンケン氏は、イスラエルのガラント国防相とも会談。ガラント氏は同国が検討中の対イラン報復後も米政府の支援に期待すると語った。ブリンケン氏はイランの支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘が続くレバノン情勢も取り上げ、外交解決を改めて求めた。
ブリンケン氏は23日、「イスラエルが(イランに対して)エスカレートしない方法で対応することが重要だ」と記者団に語った。この後、サウジアラビアの首都リヤドを訪問し、実権を握るムハンマド皇太子と会談。ガザとレバノンの停戦に向けた取り組みについて協議した。
イスラエル軍は23日、レバノン南部ティールに避難勧告を発出。レバノン国営通信はドローン攻撃を受けたと報じた。