大エジプト博物館、常設展を試験公開=日本が建設支援、遺物1万点以上 2024年10月21日 05時41分

大エジプト博物館のエントランス=16日、カイロ近郊ギザ
大エジプト博物館のエントランス=16日、カイロ近郊ギザ

 【カイロ時事】エジプトの首都カイロ近郊のギザに建設された大エジプト博物館(GEM)で、常設ギャラリーの試験公開が始まった。古代エジプトについて「王朝」「社会」「信仰」のテーマごとに遺物1万点以上を陳列。ツタンカーメンに関する展示など全面オープンの時期は未定だが、新たな観光資源として世界中からの集客が期待されている。
 GEMは、ギザの三大ピラミッドから約2キロに位置する。古代エジプトの遺物約10万点を収蔵し、単一文明に関する博物館としては世界最大規模。新型コロナウイルス禍や中東情勢の悪化を受けて開館が延期されてきたが、16日に常設展示の公開にこぎ着けた。今後、「黄金のマスク」を含むツタンカーメンの遺物約5000点を集めたギャラリーや、敷地内の「太陽の船博物館」も開館する予定だ。
 GEMの建設などには日本政府が約842億円の円借款を供与。国際協力機構(JICA)が遺物の修復などに携わった。GEMを訪れた岡浩・駐エジプト大使は試験開館について「日本の専門家の地道な協力の成果」と歓迎。建設責任者のアテフ・モフタ氏は「GEMはエジプトと日本の友好の印だ」と述べた。 

その他の写真

大エジプト博物館で撮影に応じる建設責任者アテフ・モフタ氏(左)と岡浩・駐エジプト大使=16日、カイロ近郊ギザ
大エジプト博物館で撮影に応じる建設責任者アテフ・モフタ氏(左)と岡浩・駐エジプト大使=16日、カイロ近郊ギザ

海外経済ニュース