北方墓参の合意「無効」=鈴木氏利用し日本けん制か―ロシア 2024年07月31日 07時20分

30日、モスクワで会談するロシアのガルージン外務次官(中央左)と鈴木宗男参院議員(同右)ら(鈴木氏の事務所提供・時事)
30日、モスクワで会談するロシアのガルージン外務次官(中央左)と鈴木宗男参院議員(同右)ら(鈴木氏の事務所提供・時事)

 無所属の鈴木宗男参院議員は30日、訪問先のロシアの首都モスクワでガルージン外務次官(前駐日大使)らと会談した。鈴木氏によると、北方四島の元島民による墓参の早期再開を求めたところ、根拠となる1986年の合意は「無効」とロシア側の担当者から聞かされた。
 ロシア外務省はウクライナ侵攻開始後の2022年9月、対ロ制裁を科す日本に反発し、四島の「ビザなし交流」に関する合意を破棄。一方、墓参を認めた合意は「有効」という立場を繰り返してきた。ロシア側の説明が事実なら、鈴木氏を利用して日本側をけん制しようとしている可能性がある。岸田文雄首相は30日、墓参などの再開が「日ロ関係での最優先事項の一つ」と強調していた。
 鈴木氏は今回の会談で、灯台修理を理由に停止された北方領土の歯舞群島・貝殻島周辺のコンブ漁を日本の漁業者に認めるよう要請。ロシア側の担当者は「8月3日に修理が終わる」と述べ、早期再開を示唆したという。 

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