南シナ海問題で応酬=米中外相、ラオスで会談―対話維持も溝埋まらず 2024年07月27日 17時59分

27日、ビエンチャンで握手するブリンケン米国務長官(左)と中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)
27日、ビエンチャンで握手するブリンケン米国務長官(左)と中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)

 【ビエンチャン時事】ブリンケン米国務長官と中国の王毅共産党政治局員兼外相が27日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議に合わせ、ラオスの首都ビエンチャンで会談した。米国務省によると、ブリンケン氏は、南シナ海における中国の威圧的行動に「懸念」を表明。王氏も同問題で米国の干渉をけん制し、米中関係が「依然リスクに直面している」と指摘した。
 米中両政府の発表によると、両氏は米中間の「意思疎通の維持」で合意。一方、ブリンケン氏は会談で、南シナ海のアユンギン(中国名・仁愛)礁などにおけるフィリピンとの領有権問題の「平和的解決」を訴えた。王氏は、同礁に関してはフィリピンとやりとりしており、米国の関与は状況を悪化させるとの認識を示した。
 ウクライナ情勢を巡り、米国はかねて中国が軍民両用品の対ロシア輸出などを通じて侵攻を下支えしていると批判してきた。ブリンケン氏は会談で、中国が対処しなければ「米国は適切な措置を講じる」と述べ、改めて対中制裁の強化を示唆。しかし、王氏は「中傷だ」と突っぱねた。
 王氏は台湾問題に関しても「台湾は中国の一部であり、統一へ向けた努力を続ける」などと従来の主張を繰り返した。 

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