病院攻撃は「戦争犯罪」=緊急会合で非難相次ぐ―国連安保理 2024年07月10日 07時22分

ロシア軍によるミサイル攻撃で破壊された小児病院で作業をする救助隊員=9日、キーウ(AFP時事)
ロシア軍によるミサイル攻撃で破壊された小児病院で作業をする救助隊員=9日、キーウ(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】ロシアによるウクライナの小児病院などへの攻撃を受け、国連安全保障理事会は9日、緊急の公開会合を開いた。国連高官が「病院を狙った意図的な攻撃は戦争犯罪だ」と批判し、多くの理事国も非難の声を上げたが、ロシアは攻撃を否定した。
 国連人道問題調整事務所(OCHA)高官は、「病院は国際人道法で保護されている」と指摘。それにもかかわらず、ロシアの侵攻が始まった2022年2月以降、ウクライナでは病院や医療従事者への攻撃が計1878件に上ると報告した。
 ロシアは今月の安保理議長国を務めており、ウッドワード英国連大使は「安保理議長の名誉を傷つけるものだ」と攻撃を糾弾した。志野光子国連次席大使も「常任理事国による国連憲章違反が引き起こした犠牲に深い憤りを覚える」と表明した。
 これに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は、被害はウクライナの防空システムの誤作動によるものだと主張。プーチン大統領が先月明らかにした「和平案」をウクライナがのまない限り、「軍事的手段を取り続ける」と語った。 

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