有権者ら「変化」へ一票=相次ぐ与党批判、労働党に期待―英総選挙 2024年07月04日 21時50分

4日、ロンドン市内の投票所を訪れた英労働党のスターマー党首夫妻(EPA時事)
4日、ロンドン市内の投票所を訪れた英労働党のスターマー党首夫妻(EPA時事)

 【ロンドン時事】英国は4日、4年半ぶりとなる総選挙の投票日を迎え、各地の投票所には朝から有権者が詰め掛けた。14年間政権を担った保守党から労働党へ政権交代が濃厚な情勢で、これを裏付けるように、有権者からは「変化」を求める声が相次いだ。
 ヒースロー空港に近いロンドン西部アイズルワース。晴天の下、投票所の教会に住民が次々と足を運んでいた。元学校職員のリンダ・ボイスさん(68)は「私たちには変化が必要」と断言。「保守党は数々のスキャンダルで落ち目になる一方だ。政権に長く居すぎた」と批判した上で、労働党は医療や経済問題などで「的確な仕事をしてくれると思う」と期待を寄せた。
 市中心部で票を投じたマーケティング会社勤務のジェス・マクアリスターさん(36)は、保守党支持だったが労働党に転向したという。「保守党はチャンスがあったのに自ら駄目にした。変化と新しさが必要」とした上で、労働党に「(物価高騰による)生活の危機を何とかしてほしい。友人たちも皆苦しんでいる」と訴えた。
 一方、保守党支持を貫く人もいる。アイズルワースに住む女性は「保守党に入れた。保守党が好きだし今でも信じている」とコメント。ロンドン南東部のデービッドさん(76)は「ずっと保守党を支持してきた。労働党に入れたことがない。(保守党の勝利は)難しい状況。願うしかない」と述べた。
 保守党のスナク首相は同国中部で投票した。妻と手を握りながら現れたスナク氏は、1カ月余りの選挙戦の疲れも見せずリラックスした様子。労働党のスターマー党首も妻を伴いロンドン市内の投票所を訪れ、報道陣に余裕の笑顔を見せた。 

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