労働党政権、14年ぶり誕生へ=英総選挙、4日投票 2024年07月03日 14時07分

2日、ロンドンで開かれた英保守党の集会で演説するスナク首相(EPA時事)
2日、ロンドンで開かれた英保守党の集会で演説するスナク首相(EPA時事)

 【ロンドン時事】英国で4日、下院(定数650)総選挙が行われる。数々のスキャンダルや失政、長期政権への飽きで、保守党政権に対する有権者の支持離れは顕著。14年ぶりに労働党政権が誕生する公算が大きい。
 前回総選挙は2019年12月、ジョンソン政権の下で行われた。保守党は欧州連合(EU)からの離脱実現を公約に掲げ、365議席を獲得する大勝。労働党は大きく議席を減らし、203議席に沈んだ。
 だが、ジョンソン氏は、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)中に官邸などでパーティーを開いていたことが発覚し、国民の怒りを買って辞任。続くトラス前首相は大型減税策が市場の混乱を招き、短期間で辞任に追い込まれた。
 保守党の支持率が低迷する中、スナク首相はテレビでの党首討論などで「労働党政権になれば家計は打撃を受け、税金は跳ね上がる」と強調する。しかし、保守党の候補者や選対幹部が選挙日程を巡る賭けを行っていたというスキャンダルにも見舞われ、防戦一方だ。
 一方、選挙戦を優勢に進める労働党のスターマー党首は、「チェンジ」を掲げて政権交代を訴える。左派党首が率いた前回総選挙での惨敗を受けて、中道路線に大きくかじを切り、有権者や経済界に安心感を与えていることも奏功しているようだ。
 英調査機関サーベイションが2日に発表した世論調査によると、労働党が484議席を獲得、保守党は64議席まで転落するとの推計が出た。同日のBBC放送のインタビューで、スターマー氏は「首相になる準備はできているか」との問いに「準備は万端だ」と自信を隠さなかった。 

海外経済ニュース