中国海警が台湾漁船拿捕=金門島周辺、釈放要求応ぜず 2024年07月03日 09時27分
【台北、北京時事】台湾海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)は2日夜、離島の金門島周辺海域で台湾漁船が中国海警局に拿捕(だほ)されたと明らかにした。通報を受けて急行した台湾海巡署の巡視艇が放送で釈放を求めたが、そのまま中国の港へ連行された。
海巡署によると、2日午後8時(日本時間午後9時)すぎ、操業中の台湾漁船が中国海警船2隻に臨検を受けていると船主から通報があった。海巡署の巡視艇が現場に急行したが、中国海警船に接近を阻まれた。現場周辺では海警船7隻が集まっていたという。
同署は3日に記者会見し、拿捕された漁船には台湾籍2人、インドネシア籍3人の計5人が乗っていたと説明。「本件を政治的要素で処理せず、できるだけ早く理由を説明し、釈放してほしい」と中国側に呼び掛けた。
現場は台湾が中国船の進入を規制する「制限水域」よりも外で、中国福建省に近い海域。中国は休漁期間中で、中国海警局の報道官は3日、「漁業資源と生態環境を破壊した」と拿捕の理由を説明するとともに、正当な法執行を妨害しようとした台湾側の船を追い払ったと主張した。5人の処分などには触れていない。