欧州委員長続投へ=大統領にポルトガル前首相―EU 2024年06月28日 06時57分

ポルトガルのコスタ前首相(右)、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(中央)、エストニアのカラス首相(AFP時事)
ポルトガルのコスタ前首相(右)、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(中央)、エストニアのカラス首相(AFP時事)

 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は27日、ブリュッセルで開いた首脳会議で、今秋に任期切れとなる主要ポストの人選について協議し、フォンデアライエン欧州委員長(65)の続投を支持する方針を決めた。ミシェルEU大統領がX(旧ツイッター)で明らかにした。ミシェル氏の後任にはポルトガルのコスタ前首相(62)が選出された。
 欧州委員長の任期は5年。EU欧州議会の採決で過半数の賛成を得て就任する。外交安全保障上級代表(外相)にはエストニアのカラス首相(47)が指名された。
 フォンデアライエン氏は首脳会議後の記者会見で、「指名を支持したリーダーらに感謝する」と述べた。
 ただ、ロイター通信によると、イタリアのメローニ首相は委員長指名の採決を棄権。大統領と外相にも反対したとされ、全会一致にならなかったもようだ。ハンガリーのオルバン首相も委員長と外相に反対したという。両首相は極右・右派勢力を率いている。
 次期欧州委員長の人選は、9日開票のEU欧州議会選挙で親EU派が過半数を維持したことを踏まえ、フォンデアライエン氏続投を軸に話し合いが進んでいた。主要3人事を全て親EU派でまとめようとする動きに対し、議会選で議席を増やした極右・右派勢力は不満を示していた。 

海外経済ニュース