ガザ全域に空爆=人質3人の遺体収容―イスラエル 2024年05月18日 19時49分

16日、パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリヤで、イスラエルの空爆を受けて上がる煙(EPA時事)
16日、パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリヤで、イスラエルの空爆を受けて上がる煙(EPA時事)

 【カイロ時事】イスラエル軍は18日、パレスチナ自治区ガザ全域で17日に70カ所以上を空爆したと発表した。また、軍は17日、イスラム組織ハマスによってガザに連れ去られたとされていた人質のうち、3人の遺体を16日に収容したと公表。ネタニヤフ首相は人質解放に向けて軍事作戦を強化する方針だが、政府内では反対論も出ている。
 軍によると、ガザ最南部ラファでハマスの関連施設に対する攻撃を継続。ハマスと共闘する武装組織「イスラム聖戦」のラファの兵たん部門責任者を空爆で殺害した。また、ガザ北部や中部でも戦闘が発生。軍はガザ全域で攻勢を強めているもようだ。
 一方、遺体で収容された3人は昨年10月のハマスの急襲時に殺害されたという。遺体の収容を受け、ネタニヤフ氏は「人質全員を取り戻す」と改めて表明。同氏は、ラファへの本格侵攻に踏み切る姿勢を崩していない。
 ただ、ハマスと仲介国を介して交渉するイスラエル高官は地元メディアに、ラファで作戦を拡大してもハマスが態度を硬化させ、人質解放につながらないとの見方を示した。その上で、実行可能なガザの統治計画を示すことが、ハマスの譲歩を引き出す唯一の方法だと指摘。ネタニヤフ氏の強硬路線に異論を唱えた形だ。
 ネタニヤフ政権は、ガザの戦後統治や治安維持の構想を描けておらず、制圧したと主張していたガザ北部などでハマスの再編を許したと批判されている。 

海外経済ニュース