バイデン氏、黒人票に照準=支持に陰り―米大統領選 2024年05月18日 14時19分

17日、ワシントンの国立アフリカ系米国人歴史文化博物館で演説するバイデン米大統領(EPA時事)
17日、ワシントンの国立アフリカ系米国人歴史文化博物館で演説するバイデン米大統領(EPA時事)

 【ワシントン時事】バイデン米大統領(81)は17日、ワシントンの国立アフリカ系米国人歴史文化博物館で演説し、人種間の教育格差の是正に取り組む姿勢をアピールした。11月の大統領選で再選を目指すバイデン氏にとって、黒人有権者は有力な支持基盤。最近の世論調査によると、その熱気には陰りが見える。
 バイデン氏は、公民権運動団体「全米黒人地位向上協会(NAACP)」の関係者らを前に「自分はNAACPの終身会員だ」とあいさつ。17日が公立学校での人種分離を違憲とした1954年の最高裁判決から70年になるのを踏まえ、「黒人の歴史は米国の歴史だ」と訴えた。
 さらに「私たちは共に学ぶことで、より良く学べる。だから私の政権は、異なる背景を持つ生徒が共に学ぶための学校への資金援助を増やしている」などと強調した。
 バイデン氏が黒人票に照準を合わせるのは、2020年大統領選で勝利の原動力となった黒人層の「バイデン離れ」が広がっているからだ。米紙ワシントン・ポストなどの世論調査によれば、「絶対に投票に行く」という黒人有権者は62%で、20年の74%から12ポイント減った。
 また、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙の4月の調査では、黒人男性の約30%と同女性の約11%が「間違いなく」か「恐らく」、トランプ前大統領(77)に投票すると回答。トランプ氏を支持する黒人有権者が増えている可能性が高いとみられている。
 南部ジョージアなど接戦州で、黒人票の行方は勝敗を大きく左右しかねない。このため、バイデン氏は19日、公民権運動を率いたキング牧師の母校でジョージア州の黒人大学の名門、モアハウス大学の卒業式で演説し、票固めを狙う。 

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