「脱炭素」で対日関係強化を=安保理改革にも意欲―ブラジル大統領、邦人記者団と会見 2024年05月01日 06時12分

4月30日、ブラジリアで邦人記者団と会見するブラジルのルラ大統領(大統領府提供・時事)
4月30日、ブラジリアで邦人記者団と会見するブラジルのルラ大統領(大統領府提供・時事)

 【ブラジリア時事】ブラジルのルラ大統領は30日、邦人記者団と大統領府で会見し、「脱炭素」に向けたエネルギーや環境といった経済分野で日本との関係強化を図る考えを表明した。また、ロシアのウクライナ侵攻などに対して国連が機能不全に陥った状況を踏まえ、安保理改革に向けた協力にも意欲を示した。同氏はブラジルを訪問する岸田文雄首相と5月3日に会談する。
 ルラ氏は、日本との貿易が現在は110億ドル(約1兆7300億円)で、2011年の170億ドルから大きく落ち込んだと指摘。その上で、ブラジルには太陽光や風力などの再生可能エネルギー、水素といった次世代エネルギーも含めて資源が豊富だと訴え、「日本が必要とする大きな機会がある」と強調した。
 ルラ政権はアマゾン熱帯雨林の保護に力を入れており、アマゾン川河口付近の都市ベレンで来年、国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)を開催する。30年までの「森林破壊ゼロ」を目標に掲げるルラ氏は、日本が最近、森林保護を目的とした「アマゾン基金」に資金を拠出すると表明したことに言及。4000万ヘクタールの伐採跡地に植林する計画に触れ、「日本とパートナー関係を構築したい」と語った。 

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