豪国防費、10年後に1.8倍へ=中国にらみ抑止力強化 2024年04月17日 18時39分

オーストラリア軍が2023年11月に行った地対空ミサイルの発射実験(豪国防省提供・時事)
オーストラリア軍が2023年11月に行った地対空ミサイルの発射実験(豪国防省提供・時事)

 【シドニー時事】オーストラリア政府は17日、新たな防衛戦略を発表し、国防費を今後10年間で1.8倍に増やす方針を示した。南シナ海などで軍事的行動を活発化させる中国をにらみ、抑止力を強化する狙いがある。米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じた原子力潜水艦導入計画を着実に進めるとともに、長射程ミサイル配備などに重点投資する。
 マールズ国防相は同日の講演で、「冷戦後の戦略の楽観的な前提は遠い過去のものとなった」と指摘。「われわれの環境は米中両国の戦略的競争に伴う不確実性と緊張に左右される」と述べた。
 計画では、国防費を2024会計年度(24年7月~25年6月)の555億豪ドル(約5兆5000億円)から段階的に増額し、33会計年度(33年7月~34年6月)に1004億豪ドル(約9兆9000億円)とする。対国内総生産(GDP)比は33年度に2.4%となる。 

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