イスラエル軍、NGO誤爆認め謝罪=人道状況悪化の懸念 2024年04月03日 20時38分

レバノンとの境界地帯を視察するイスラエル軍のハレビ参謀総長(中央)=2月1日に軍が提供(AFP時事)
レバノンとの境界地帯を視察するイスラエル軍のハレビ参謀総長(中央)=2月1日に軍が提供(AFP時事)

 【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザで食料支援を行っていた国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の職員7人がイスラエル軍の空爆で死亡した事件について、ハレビ軍参謀総長は2日、「(対象を)誤認したことによる間違いだった。WCK職員への意図しない攻撃を申し訳なく思う」と述べ、謝罪した。
 ハレビ氏は動画を公開し、「人道支援に従事する人々を守るためにより多くのことがなされるよう、即座に行動を起こす」と再発防止を誓った。発生から間もない段階で誤爆を認め責任者が謝罪することで、国際的批判を和らげる狙いとみられる。
 国連によると、昨年10月のガザでの衝突発生以降、今回を含め少なくとも196人の援助関係者が死亡。イスラム組織ハマスは、物資の配給場所を標的にしているとしてイスラエルを非難している。
 事件を受け、WCKはガザでの活動を中断すると発表。ガザでは既に北部を中心に食料難が深刻化しており、今後、同様の支援中止の動きが拡大すれば、人道状況の一層の悪化は避けられない。
 誤爆に対しては、国際社会から非難する声が相次いでいる。バイデン米大統領は2日、声明を出し「憤慨し、心を痛めている」と表明。迅速な調査実施の必要があると指摘した。グテレス国連事務総長も「常識外れ」の出来事だとし、「即座に人道的停戦を行う必要性を改めて示した」と強調した。 

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