国連機関に戦闘員450人=ガザ休戦協議「進展なし」―イスラエル軍 2024年03月05日 05時47分

4日、パレスチナ自治区ガザ南部のハンユニスからラファへ避難する人々(EPA時事)
4日、パレスチナ自治区ガザ南部のハンユニスからラファへ避難する人々(EPA時事)

 【カイロ時事】イスラエル軍報道官は4日、パレスチナ自治区ガザで活動する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に「テロ組織の戦闘員450人以上」が雇用されていたと明らかにした。報道官は「人道目的であるはずの国際社会の寄付金が大量殺人者の資金源となっていた」と非難した。
 軍は、昨年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲に参加し、女性の人質を拉致したことを誇示するハマス戦闘員のものだとする通話内容を公表。戦闘員はUNRWAがガザで運営する小学校で教員をしていたという。他にも、UNRWA職員を兼ねていたとされるハマスや武装組織「イスラム聖戦」の戦闘員の氏名を挙げ、「偶然ではなく組織的で、『知らなかった』では済まない」と強調した。
 UNRWAを巡っては一部職員が奇襲に関与した疑惑が浮上し、日米など各国が相次いで資金拠出の停止を表明。これまでの拠出凍結分は4億3800万ドル(約660億円)に上る。
 一方、ハマスとイスラエルのガザ戦闘休止協議について、ハマス幹部は4日、「実質的な進展はない」と語った。レバノンのメディアが伝えた。イスラエルはガザで拘束中の人質の生存情報などの提供を求めているものの、ハマス側は完全な停戦、イスラエル部隊のガザ撤退、ガザ南部から北部への避難民帰還を要求。溝が埋まっていないもようだ。 

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