ロシアと文化交流再開へ=侵攻終結後の条約交渉視野―武藤大使 2024年02月28日 21時20分

28日、モスクワの在ロシア日本大使館で、着任後初めて記者会見した武藤顕大使
28日、モスクワの在ロシア日本大使館で、着任後初めて記者会見した武藤顕大使

 武藤顕・駐ロシア大使は28日、昨年12月の着任後初めて記者会見し、ウクライナ侵攻で中断している日ロの文化・人的交流事業を今年から再開すると発表した。日本を含む先進7カ国(G7)で「今こそ対ロ制裁の団結を維持すべきだ」としつつ、戦闘の長期化を踏まえてロシアとの関係再構築に取り組む必要があると訴えた。
 武藤氏は侵攻の終結後を見据えた上で「いずれ(日ロ)平和条約締結は必須になる。そのためにもロシアとの対話を通じた相互理解を図ることが必要だ」と指摘。中長期的な視点に立ち、日本語学習の推進など「草の根レベルで対日理解促進と知日・親日派の育成に資する事業を再開する」と述べた。
 ロシア外務省は条約締結交渉について「再開は不可能」との立場を示しているが、武藤氏は「現状を座視しておくことは国益に資さない」と説明した。在ロシア日本大使館によると、G7のうち米仏独の各大使館はロシアとの交流事業としてコンサートや映画上映などを行っている。 

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