凍結資産活用、早急に検討を=ウクライナ侵攻、食料危機回避へ―米財務長官 2024年02月27日 21時49分

 【サンパウロ時事】イエレン米財務長官は27日、訪問先のブラジル・サンパウロで記者会見し、ウクライナ侵攻への制裁として凍結した3000億ドル(約45兆円)規模のロシア資産の活用について、「ウクライナの抵抗の継続と復興のために必要であり、緊急に取り組むべきだ」と述べ、検討を急ぐよう求めた。ウクライナ問題による食料危機を回避するため、中・低所得国への支援を強化するよう訴えた。
 28、29両日に当地で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に語った。期間中には先進7カ国(G7)の会議も開かれる見通し。
 イエレン氏は、ロシアによる侵攻開始から3年目に入り、「同盟国と共に、ウクライナにさらなる支援をすることを約束する」と改めて表明した。ロシアの凍結資産活用については、「国際法だけでなく、経済的、道義的にも強い根拠がある」と強調し、ロシアが和平交渉を始めるきっかけにもなり得るとの見方を示した。 

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