奴隷貿易商の立像、博物館へ=反差別デモで引き倒し―英 2024年02月26日 06時03分

港から引き揚げられる奴隷貿易商エドワード・コルストンの立像=2020年6月、英南西部ブリストル(AFP時事)
港から引き揚げられる奴隷貿易商エドワード・コルストンの立像=2020年6月、英南西部ブリストル(AFP時事)

 【ロンドン時事】英南西部ブリストルで2020年6月、反黒人差別の大規模デモで引き倒された奴隷貿易商エドワード・コルストンの立像が、博物館に移されることになった。3月に開催される「抗議」をテーマとした展覧会で公開される予定。英BBC放送が伝えた。
 ブリストル市議会が21日、エム・シェッド博物館への移転計画を承認した。コルストンは17世紀に奴隷売買で巨万の富を築いた商人。一方で、私財を投じた慈善活動にも熱心で、立像は約130年前に市中心部に建てられた。米国で起こった「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切)」をスローガンにした人種差別抗議運動が世界に広がる中、立像はデモ隊によって台座から引き倒され、港に投げ込まれた。
 引き揚げられた立像の将来を巡っては、独立委員会が実施したアンケートで、市民の80%が博物館に置かれることを支持。市長はこうした経緯を踏まえ、「立像の背景や象徴するものを多様な観衆と適切に共有できる」として、博物館収容が最良との見解を示していた。 

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