ハイテク主導の米株高が波及=インフレで失速リスクも―東京株式 2024年02月22日 15時48分

東京証券取引所=東京都中央区
東京証券取引所=東京都中央区

 【ニューヨーク時事】22日の東京株式市場で、日経平均株価がバブル経済最盛期の1989年末に付けた史上最高値を更新して引けた。生成AI(人工知能)関連企業の成長見通しを追い風とした米国の株高が波及した格好だ。ただ、米国で根強いインフレ懸念が払拭されなければ、早期の利下げ観測が一段と後退し、日米の株価が勢いを失う可能性もくすぶる。
 半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が先月中旬、生成AI普及に伴う半導体需要の拡大予想を示したことで、米市場では半導体大手エヌビディアやIBMなどハイテク株への買いが膨らんだ。代表的な株価指数であるダウ工業株30種平均が最高値を連日塗り替えるなど、年初に伸び悩んでいた相場は息を吹き返した。
 エヌビディアが21日発表した2023年11月〜24年1月期決算は、純利益が前年同期比8.7倍と大幅に拡大。生成AI関連の半導体需要の底堅さが改めて示された。
 日本の株高を巡っては、米市場に追随して半導体銘柄が買われていることに加え、中国経済の先行きに対する警戒感から日本株へ資金が流入していることが背景にある。「上昇基調にあるため買わざるを得ない」(市場関係者)との心理も日米の株高に拍車をかけているもようだ。
 一方、インフレが株高に沸く市場に水を差す可能性もある。今月13日には1月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を上回ったことで米株価が急落、ダウ平均の下げ幅は一時750ドルを超えた。インフレの根強さを示す経済指標が今後も続けば、米金融引き締めの長期化観測が再び意識され、急速な株離れを引き起こしかねない。 

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