沈没軍艦を潜水調査=「中国関与」で業者決まらず―米タイ両軍 2024年02月22日 15時03分

22日、タイ南部沖で、沈没した軍艦の潜水調査を行う米タイ両軍
22日、タイ南部沖で、沈没した軍艦の潜水調査を行う米タイ両軍

 【プラチュアプキリカン(タイ)時事】米国で建造され、タイ南部沖で2022年に沈没したタイ海軍のコルベット艦「スコタイ」を巡り、米タイ両軍は22日、沈没原因などの究明に向けた潜水調査を始めた。船体引き揚げのためタイ政府が実施した入札では「落札業者が中国と関係がある」という情報が流れて業者が決まらず、米軍が協力することになった。
 スコタイは22年12月18日、中部プラチュアプキリカン県沖約40キロのタイ湾を航行中に、強風や高波を受けるなどして転覆。乗組員105人のうち24人が死亡、5人が行方不明となった。
 タイのメディアによると、政府は引き揚げ業者を決める入札を実施したが、落札業者に中国企業が関与しているという情報が流れた。
 米軍は昨年12月、タイ海軍に「軍事機密を守るため、引き揚げ業者は米政府の承認を得る必要がある。怠ると米タイ間の兵器販売に影響を及ぼす可能性がある」と文書で警告。その結果、業者は決まらず、米軍とタイ海軍が合同で潜水調査を実施することが今月発表された。
 潜水調査は、米タイ両軍が主催するアジア太平洋地域最大級の多国間合同軍事演習「コブラゴールド」の一環。3月まで予定される調査では、行方不明者の捜索や沈没原因の調査、一部機器の引き揚げなどが行われる。 

その他の写真

タイ海軍のコルベット艦「スコタイ」=タイ沿岸(2022年12月、同軍提供)(EPA時事)
タイ海軍のコルベット艦「スコタイ」=タイ沿岸(2022年12月、同軍提供)(EPA時事)

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