ウクライナ兵数百人が捕虜か=東部激戦地からの撤退で 2024年02月21日 14時38分

ロシアが制圧したウクライナ東部ドネツク州の激戦地アウディイウカ=19日(AFP時事)
ロシアが制圧したウクライナ東部ドネツク州の激戦地アウディイウカ=19日(AFP時事)

 【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は20日、ウクライナ軍が東部ドネツク州の激戦地アウディイウカから撤退する際、数百人の兵士がロシア軍の捕虜となったか、行方不明になった可能性があると報じた。事実であれば、ウクライナ軍の士気低下につながる可能性がある。
 ロシアのウクライナ侵攻から24日で丸2年。米政府による支援の途絶などでウクライナ軍の武器・弾薬は不足しており、東部戦線ではロシア軍が主導権を握っている。
 報道によると、欧米の政府高官や戦場の兵士の話として、ウクライナ軍の防衛線の崩壊に伴う混乱で850〜1000人の兵士が捕虜か行方不明になったと推定されている。正確な人数の把握には時間がかかる可能性があるという。
 昨年6月に始まった反転攻勢の成果が乏しいことや、ザルジニー前総司令官の解任を受け、ウクライナ軍は既に士気が低下していると指摘されている。アウディイウカ陥落と大量の捕虜の発生はさらに士気に影響しかねない。
 一方、アウディイウカから撤退したウクライナ軍部隊の幹部は20日、通信アプリで「敵はさらに前進するのに十分な戦力を持っており、今後も前進を続けるだろう」と指摘。ロシア軍がアウディイウカ西方の集落ラストチキネに向かっているとの見方を示した。
 ロシア軍は17日にアウディイウカを包囲の末、陥落させた。ロシア軍にとっては昨年5月の東部の要衝バフムト制圧以来の成果となった。ウクライナを支援する米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者団に「ウクライナ軍はロシアの進軍阻止に必要な物資や弾薬を持っていなかった」と語った。 

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