ナワリヌイ氏の母「最後に会わせて」=デモ警戒で遺体引き渡し不可も―ロシア 2024年02月20日 21時03分
獄死したロシア反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の母リュドミラさんは20日、遺体の即時引き渡しを求める動画メッセージを出し「最後に息子に会わせて」とプーチン大統領に訴えた。16日に当局が死亡を発表して以降、リュドミラさんが肉声を発表したのは初めて。
ナワリヌイ氏を巡って当局は「化学的検査」を口実に、遺体を少なくとも14日間は返せないと家族らに伝えていた。英字紙モスクワ・タイムズ(電子版)は19日、プーチン政権が全く引き渡さない可能性を含め検討を始めたと報道。独立した調査で当局側と異なる死因が示され、3月の大統領選前に抗議デモに発展する事態を警戒しているとみられる。
ナワリヌイ氏は、政権批判の急先鋒(せんぽう)だった。妻ユリアさんは19日、夫の遺志を継ぐと「政治活動」を宣言した。
ペスコフ大統領報道官は19日、遺体の引き渡しに政権は関与していないと説明。ただ、選挙前に「民意」は完全に無視できないとみられ、対応を迫る声が強まりそうだ。