〔NY石油〕WTI下落、62.27ドル(23日) 2025年04月24日 08時09分
【ニューヨーク時事】23日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)が主導する生産調整方針を巡り供給過剰への懸念が広がる中、下落した。この日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTI6月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.40ドル(2.20%)安の1バレル=62.27ドル。7月物は1.31ドル安の61.63ドルだった。
ロイター通信が消息筋の話として伝えたところでは、OPECとロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の複数のメンバーが、6月からの生産方針について増産拡大を提案する見通しという。一部加盟国の産油量が生産目標を超過していることが背景にある。この報をきっかけに供給過剰を意識した原油売りが活発化。相場は一時61ドル台に下落した。カザフスタンのエネルギー相はロイター通信に対して、OPECプラスの生産方針よりも国益を最優先とする意向を表明している。
米エネルギー情報局(EIA)が午前公表した週報は強弱まちまちの内容。18日までの1週間の米原油在庫は前週比20万バレル増と、市場予想(80万バレル減=ロイター通信調査)に反する積み増しとなった。一方、石油製品はいずれも予想を上回る在庫取り崩し。ガソリン在庫は450万減と、減少幅は市場予想の140万バレルを大幅に上回った。ディスティレート(留出油)在庫は240万バレル減。予想は前週比変わらずだった。
一方、米通商政策を巡る動向は依然として流動的で、原油需要への影響が注視されている。ベセント米財務長官は23日、米中の関税を巡る対立が「持続的ではない」と発言。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は同日、関係者の話として、トランプ米政権が対中追加関税の引き下げを検討しており、税率は50~65%になる可能性があると報じた。
▽ガソリン=反落。中心限月5月物の清算値は1.57セント安の1ガロン=208.39セント。
▽ヒーティングオイル=反落。5月物の清算値は2.17セント安の1ガロン=212.69セント。