〔NY石油〕WTI4日続落、72.32ドル=5カ月ぶり安値(5日) 2023年12月06日 05時40分
【ニューヨーク時事】5日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給絡みの材料を眺めて売り買いが交錯した後、ドル高に押されて4営業日続落となった。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は前日比0.72ドル(0.99%)安の1バレル=72.32ドルと、今年7月以来5カ月ぶりの安値。2月物は0.79ドル安の72.53ドルだった。
タス通信によると、ロシアのノバク副首相は5日、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の協調減産について「(規模が不足なら)来年1~3月期に追加措置を取ることが可能だ」と語った。OPECプラスは11月末の会合で、現行の協調減産の維持と一部の国による日量計約220万バレルの自主減産を決めたが、相場の安定には不十分ではないかとの見方もあり、これをけん制した形。
一方、需要面では、米格付け大手がこの日、中期的な経済成長率の低下などを理由に、石油消費大国である中国の信用格付け見通しを下方修正。また、米欧でもインフレ鈍化の兆しとともに景気減速懸念がくすぶっている。さらに、国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)がこの日示した成果文書の草案には、2030年までを念頭に化石燃料の「秩序ある公正な段階的廃止」などが盛り込まれ、投資家心理を圧迫した。
これらの材料を眺めて、相場は72~74ドル台を方向感なく推移したが、終盤はドル上昇に伴う割高感が加わり、売りが優勢となった。
▽ガソリン=反落。中心限月1月物の清算値は2.39セント安の1ガロン=211.03セント。
▽ヒーティングオイル=続落。1月物の清算値は1.86セント安の1ガロン=264.11セント。