〔NY石油〕WTI3日ぶり反落、68.87ドル(20日) 2024年11月21日 06時10分
【ニューヨーク時事】20日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、予想を上回る米原油在庫の積み増しを背景に、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比0.52ドル(0.75%)安の1バレル=68.87ドルだった。1月物は0.49ドル安の68.75ドル。
米エネルギー情報局(EIA)が午前発表した週間在庫統計で、原油在庫は前週比50万バレル増、ガソリン在庫は210万バレル増となり、積み増し幅はいずれも予想を大きく上回った。これをきっかけに需給の緩みが意識され、原油は売りが優勢となった。
一方、地政学的緊張の高まりを背景とした供給不安も根強く、相場はプラス圏に浮上する場面もあった。ウクライナは20日、米国製の長距離地対地ミサイル「ATACMS」を使用した前日に続き、英国製巡航ミサイル「ストームシャドー」をロシア領内の軍事目標に向けて、初めて発射したと伝わった。ウクライナとロシア間の緊張が高まる中、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザでの停戦交渉は依然として停滞している。米国は20日、停戦を求める国連安保理決議に拒否権を行使した。
ロイター通信が情報筋の話として、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が、石油需要の弱さを理由に増産開始時期を再度延期する可能性があると報じたことも相場を下支えた。
▽ガソリン=3日続伸。中心限月12月物の清算値は0.81セント高の1ガロン=204.58セント。
▽ヒーティングオイル=続落。12月物の清算値は1.39セント安の1ガロン=222.63セント。