〔NY石油〕WTI5日ぶり反落、63.15ドル(14日) 2025年05月15日 05時24分
【ニューヨーク時事】14日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、5営業日ぶりに反落。予想外の米原油在庫積み増しを示す官民の週報を受け、利益確定の売りが台頭した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.52ドル(0.82%)安の1バレル=63.15ドル。7月物は0.57ドル安の62.68ドルだった。
13日夕に明らかとなった米石油協会(API)の週報で、9日までの1週間の米原油在庫は前週比430万バレル増加した。市場は110万バレル減少を見込んでいたことから、利益確定の売りが台頭。早朝には一時62.75ドル付近の安値を付けた。
14日午前に米エネルギー情報局(EIA)が公表した週報でも、米原油在庫は350万バレル増を示した。ただ、ガソリンが100万バレル減(市場予想は60万バレル減)、ディスティレート(留出油)が320万バレル減(同10万バレル増)と在庫を取り崩したことで、夏場のドライブシーズンを前に燃料需要は堅調との見方が相場を支えた。
市場はこのほか、石油輸出国機構(OPEC)が公表した月報にも注目。それによると、「OPECプラス」に参加しない米国やブラジルなどの今年の石油供給見通しが日量80万バレル増と、前回報告から同10万バレル引き下げられた。一方、世界の石油需要見通しは、同130万バレル増に据え置き。これを受け、需給の緩みに対する警戒感がやや和らぎ、相場は63ドル台前半でもみ合いとなった。
▽ガソリン=5営業日続伸。中心限月6月物の清算値は0.40セント高の1ガロン=217.00セント。
▽ヒーティングオイル=5営業日続伸。6月物の清算値は3.48セント高の1ガロン=220.61セント。