〔NY石油〕WTI続落、73.24ドル(9日) 2024年10月10日 04時58分
【ニューヨーク時事】9日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給のだぶつきを意識した売りに押され、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前日比0.33ドル(0.45%)安の1バレル=73.24ドルだった。12月物は0.39ドル安の72.59ドル。
米エネルギー情報局(EIA)が午前発表した4日までの1週間の米石油在庫統計によると、原油在庫は前週比580万バレル増と、市場予想(200万バレル増=ロイター通信調べ)を大幅に上回る積み増しとなった。需給緩和への警戒感から相場はマイナス圏を軟調に推移した。ただ、同統計でガソリン、ディスティレート(留出油)在庫の取り崩し幅はいずれも市場予想を大きく上回ったため、下値は抑えられた。
午後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月17~18日開催分)によると、大多数の参加者が0.5%の大幅利下げを支持したものの、一部が0.25%利下げを支持した可能性があるという。ただ、相場への影響は限られた。
一方、市場は中東情勢の行方のほか、9日夜にも米フロリダ州へ上陸するとみられる大型ハリケーン「ミルトン」が同地域の石油供給にもたらす影響を注視。8日、同州沿岸部で100万人超に避難指示が発令される中、住民らはガソリンの買いだめを急ぎ、需要が急増しており、原油価格の下支えにつながったとの見方もあった。
▽ガソリン=続落。中心限月11月物の清算値は0.17セント安の1ガロン=206.64セント。
▽ヒーティングオイル=続落。11月物の清算値は2.03セント安の1ガロン=227.69セント。