利下げ、年内1回に後退=FOMC経済見通し・FF金利予想 2024年06月14日 10時18分

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月12日、参加メンバーが提示した「経済・政策金利見通し」を公表しました。フェデラルファンド金利(FF金利)の予測中央値は、2024年末に5.1%、2025年末に4.1%となり、3月時点の予測値から大幅に上方修正されました。この最新予測値から年内の利下げ開始時期が後退するとともに、利下げ回数は0.25%1回となります。3月時点の利下げ予想回数は3回でした。利下げ開始時期は米大統領選を考慮すると、今年最後のFOMC、12月の蓋然性が高いと考えられます。

 FF金利のドットプロットは、高金利状態が長期化することを示しています。2025年から2026年にかけて利下げが段階的に続き、2027年には正常化するとの軌道が読み取れます。

 この日、5月の米消費者物価指数が発表され、事前の市場予測よりも低い数値が示されました。こうしたインフレの緩和を示す経済指標の発表が続けば、利下げ開始時の前倒しや利下げ回数の増加もありうると考えられ、この先、毎月発表されるインフレ関連の経済指標が注目されます。


            ※ FRB発表のProjection Materials からゴールデンチャート社が作表

(H・N)

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