11月3日 FOMC声明 = FRBテーパリング開始 2021年11月04日 15時47分
米連邦準備制度理事会(FRB)FOMC声明を発表
FRBは、11月2日、3日のFOMCにおいて決定した金融政策について声明を発表しました。
- 資産購入のペースを毎月、財務省証券で100億ドル、政府系不動産担保証券で50億ドルの減額開始を決定。
- 減額は11月から開始。
- 経済見通しの変化で正当な根拠がある場合には、購入のペースを調整する用意がある。
- フェデラル・ファンド金利のターゲットレンジを0〜1/4%に維持を決定。
FOMC声明文(全文)
[日本語訳 ゴールデンチャート社] 2021年11月3日14時(米東部時間)
米連邦準備制度理事会(FRB)は、この困難な時期に直面した米国経済を支援するため、あらゆる手段を駆使し、最大雇用と物価安定の目標を達成すべく推進していく責務を託されています。
ワクチン接種の進展と強力な政策支援により、経済活動と雇用に関する指標は引き続き強さを示しています。パンデミックの影響を最も受けたセクターはここ数カ月、改善していますが、夏場のCOVID-19 感染者数が増加したことで回復が遅れています。インフレ率は上昇していきていますが、これは主に一過性の要因を反映したものです。パンデミックと経済の再開での需給の不均衡が、一部のセクターで大幅な価格上昇の原因となっています。金融情勢は全体的に緩和的であり、これは経済を支えるための政策措置や米国の家計および企業に対する信用の流れを反映したものでもあります。
経済の先行きは、引き続きコロナウイルスの動向に左右されます。ワクチン接種の進展により、公衆衛生上の危機が経済に及ぼす影響は引き続き軽減されていくと思われますが、経済見通しにおけるリスクはなお残っています。
当委員会は、長期的な視野に立って最大の雇用と2%のインフレ率の達成を目指しています。インフレ率は現状、この長期的な目標を依然として下回っていますが、当委員会は、当面まずは2%を適度に上回るインフレ率に到達することを目標にし、そうしたうえでインフレ率が長期間平均して2%となり、長期的なインフレ期待値として2%にしっかりと定着すると想定しています。
当委員会は、これらの結果が達成されるまで、金融政策の緩和スタンスを維持することとしています。当委員会はフェデラル・ファンド金利のターゲットレンジを0〜1/4%に維持することを決定しました。そして、労働市場の状況が当委員会が評価する「最大雇用」に合致するレベルに達し、インフレ率が2%に上昇した後、暫くの間2%を適度に上回る軌道に乗るまで、このターゲットレンジを維持することが適切であると想定しています
昨年12月以降、経済が当委員会の目標に向かってさらに大きく前進したことを踏まえ、当委員会は、資産購入のペースを財務省証券で100億ドル、政府系不動産担保証券で50億ドル、毎月減らし始めることを決定しました。今月下旬から当委員会は、財務省証券の保有額を毎月少なくとも700億ドル、政府系不動産担保証券の保有額を毎月少なくとも350億ドル増加させます。12月以降、当委員会は財務省証券の保有額を毎月少なくとも600億ドル、政府系不動産担保証券の保有額を毎月少なくとも300億ドル増加させます。当委員会は、資産購入のペースを毎月同様に減少させることが適切であると判断していますが、経済見通しの変化があり正当な根拠がある場合には、購入のペースを調整する用意があります。FRBの継続的な証券の購入と保有によって、引き続き円滑な市場機能と緩和的な金融環境を促進し、家計と企業への与信の流れを支援していきます。
金融政策の判断に際して適切なスタンスをとるため、当委員会は引き続き、入手した情報が経済見通しに与える影響をモニターしていきます。当委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが現れた場合、委員会は適切に金融政策のスタンスを調整する用意があります。当委員会での政策判断にあたり、公衆衛生、労働市場の状況、インフレ圧力とインフレ期待、金融・国際情勢など、幅広い情報を考慮に入れて評価を行っています。
この金融政策決定に賛成したのは、議長のJerome H.Powell、副議長のJohn C.Williams、Thomas I. Barkin、Raphael W. Bostic、Michelle W. Bowman、Lael Brainard、Richard H. Clarida、Mary C. Daly、Charles L. Evans、Randal K. Quarles、Christopher J. Wallerの各氏です。
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