石破首相、2月訪米へ調整加速=「強固な信頼関係」目指す―トランプ政権発足 2025年01月20日 19時37分

首相官邸に入る石破茂首相=20日午前、東京・永田町
首相官邸に入る石破茂首相=20日午前、東京・永田町

 第2次トランプ米政権発足を受け、石破茂首相は早ければ2月上旬の米国訪問に向け、新政権と調整を加速する方針だ。20日の就任式には岩屋毅外相が出席。首相の訪米へ「地ならし」を進める。首相は日米同盟の重要性をトランプ新大統領と早期に確認し、日米関係を軌道に乗せたい考えだ。
 林芳正官房長官は20日の記者会見で「できるだけ早い時期に日米首脳間で率直に議論を行い、強固な信頼関係を構築し、日米同盟をさらなる高みに引き上げたい」と表明。「両国が共に手を携えて努力することが、地域、世界の平和と安定に大きく寄与するとの認識を共有したい」と語った。
 ワシントンでの就任式には駐米大使が列席するのが慣例。岩屋氏の訪米は米国の招待を受けたもので、日本の外相の出席は初めてだ。岩屋氏はルビオ国務長官候補と21日に会談し、日米豪印4カ国の連携枠組み「クアッド」の外相会談も同日行う方向で調整している。
 首相は昨年11月上旬、トランプ氏と電話し、早期に対面で会談することで一致。これを受け、同月中旬と今年1月中旬の会談を模索したものの、ともに実現しなかった経緯がある。首相は2月中の会談を目指しており、中国や北朝鮮の動きに関する認識をトランプ氏と擦り合わせ、第1次トランプ政権下で進めた日米同盟強化に引き続き取り組むことを申し合わせたい考えだ。
 日本政府内にはトランプ氏が同盟国や同志国との関係軽視に傾きかねないと懸念がくすぶる。トランプ氏は「米国第一」を掲げており、日本製品への高関税をちらつかせ、防衛費の一段の増額を迫ってくる可能性も否定できない。新政権からは防衛費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げる目標を上積みし、3%程度を求める声も漏れる。
 トランプ氏は日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画に反対しており、日米間の火種となる恐れも否定できない。日本政府関係者は「まずは新政権がどう出てくるか見極めるしかない」と説明。石破政権幹部は「日米同盟は日本にも米国にも必要だと伝えたい」と語った。 

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記者会見する林芳正官房長官=20日午前、首相官邸
記者会見する林芳正官房長官=20日午前、首相官邸

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