家庭プラごみ収集へ準備=再生利用拡大、CO2削減―自治体 2022年04月30日

 プラスチックごみの削減を目指す「プラスチック資源循環促進法」が4月1日に施行されたことを受け、バケツやハンガーなど家庭から出るプラ製品の分別収集の開始に向けて準備を進める自治体が出てきた。食料品のトレーなどプラ容器と一緒に「プラ資源」として集め、リサイクルを推進。海洋プラスチックごみや地球温暖化の問題が深刻化する中、廃棄されるプラごみを減らし、焼却に伴う二酸化炭素(CO2)の排出削減につなげる。
 同法は、プラ製品・容器両方の分別収集とリサイクルを市区町村の努力義務として規定。一部の積極的な自治体は既に実施しているが、今後さらに増えると見込まれている。
 東京都北区はプラごみを可燃ごみとして扱っていたが、週1回の分別収集を10月に一部地域で開始し、2023年4月から区全域に広げる。清掃事務所によると、住民向け説明会では前向きな反応が多かったといい、担当者は「レジ袋の有料化以降、プラ問題への関心が高まったのではないか」と話す。
 回収量は年間約3500トンの見通し。収集運搬や中間処理、リサイクル業者への委託に掛かる費用は年間6億2000万円を見込む。都内では渋谷区も今年7月から始める予定だ。
 仙台市は23年4月から取り組む方針。以前からプラ容器は分けて集めていたが、20~21年度にプラ製品を含む一括収集の実証事業を行ったところ、多くの住民から「分別方法が分かりやすい」といった声が寄せられ、本格導入を決めた。
 岡山市は24年3月のスタートを目指す。焼却処分をやめ、年間約8000トンをリサイクルに回すことで、CO2排出量を約1万7500トン減らせると推計。一般家庭6000世帯分の年間排出量に相当するという。
 この他、川崎市や福岡市、北九州市などは分別収集の本格実施を見据え、22年度内に実証事業を行う。政府は、収集や再生利用に伴う費用を特別交付税で支援する。環境省リサイクル推進室は「国の財政支援を活用しながら進めてほしい」と呼び掛けている。 

特集、解説記事