米、アフガン戦争に幕=9月までに駐留軍を完全撤収―政権高官「目的達した」 2021年04月14日

 【ワシントン時事】米政府は13日、米同時テロから20年の節目を迎える9月11日までに、アフガニスタン駐留米軍を完全に撤収する意向を明らかにした。これにより2001年から続く「米史上最長の戦争」は終幕。ただ、米軍撤収後にアフガン情勢が不安定さを増すのは必至で、同国が再び内戦状態に陥り、テロ組織の温床となる可能性は否定できない。
 トランプ前政権は反政府勢力タリバンと結んだ和平合意で、5月を米軍撤収の期限としていた。バイデン政権はその延期を決める一方、タリバンが合意事項を履行するかどうかにかかわらず、「無条件で撤収する」と表明。アフガンへの軍事的関与を断ち切る姿勢を明確に示した。
 米政権高官は「同時テロ首謀者に正義をもたらし、アフガンを米国攻撃の拠点として使っていたテロリストを倒すためにアフガンに侵攻したが、その目的は数年前に達した」と指摘。「アフガンから米国に及ぶ脅威は駐留軍なしで対処できる水準になった」と説明した。
 その上で「バイデン大統領は中国との競争やパンデミックなど、米国にとってより深刻な現在の脅威と課題にエネルギーや資源、人員、時間を費やすべきだと確信している」と表明した。「アフガンを苦しめている問題に軍事的解決策はない」とも言い切り、対アフガン支援を軍事から外交分野に切り替える方針を示した。 

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バイデン米大統領=8日、ワシントン(AFP時事)
バイデン米大統領=8日、ワシントン(AFP時事)
アフガニスタン軍の訓練に参加する米兵ら=2019年2月、アフガン西部ヘラート(EPA時事)
アフガニスタン軍の訓練に参加する米兵ら=2019年2月、アフガン西部ヘラート(EPA時事)

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