東京円、110円台に下落=米景気回復期待で1年ぶり 2021年03月30日

 30日の東京外国為替市場で、円相場は約1年ぶりに1ドル=110円台に下落した。米国で新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでいることや、バイデン政権の巨額の財政出動による景気回復期待からドル買い・円売りが広がった。午後5時時点では110円22~22銭と、前日比57銭の円安・ドル高。
 過去1年、東京市場の円相場は感染動向に敏感に反応してきた。昨年は2月下旬に110円台だったが、新型コロナが中国から米国などに広がるとドル売り・円買いが加速。3月上旬には102円台まで円高が進んだ。その後も円高基調が続いたが、今年に入りワクチンと感染収束への期待からドルが徐々に買い戻される展開となっている。
 米国で長期金利が上昇傾向をたどる一方、日銀は過度な金利上昇を抑え込む姿勢を見せており、金利の高いドルが買われやすくなっている。市川雅浩・三井住友DSアセットマネジメントチーフマーケットストラテジストは「日米間の金利差がさらに拡大することが意識された」と指摘。「年末にかけて1ドル=110~115円のレンジで推移する」とみている。 

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