「アハモ」、26日開始=ドコモ携帯新料金、顧客争奪戦へ 2021年03月25日

 NTTドコモは26日、割安な携帯電話料金プラン「アハモ」の提供を開始する。菅政権の値下げ要請を受け、KDDI(au)が新プラン「ポヴォ」、ソフトバンクが「ラインモ」を既に投入しており、顧客獲得競争が激化。いずれもオンライン手続きに特化しているため、乗り換えがどの程度進むかが注目される。
 MMD研究所(東京)が2月上旬に実施した調査では、料金プラン変更や携帯会社の乗り換え先の検討対象(複数回答)はドコモの既存プランが24.7%と首位だった。次いで、アハモ21.8%、楽天モバイル18.1%、auの既存プラン14.5%と続いた。オンラインに特化した3社の新プランは、それぞれの社の既存プランを下回った。
 同研究所の吉本浩司所長は3社の新プランについて「オンライン手続きが苦手な人もいる。(新プランは)大手が発行する携帯用メールアドレスが使えないなど課題がある」と指摘する。
 3社の新プランはいずれもデータ通信容量が月20ギガバイト。アハモは1回5分以内の国内通話を含め月額2700円(税別)。ポヴォとラインモは2480円で、1回5分以内の国内通話を月500円のオプションとした。このほか、楽天モバイルは4月、データ通信容量が原則無制限で2980円のプランについて、使用量が20ギガバイトの場合は1980円とするなど段階的に料金を引き下げる。
 携帯料金値下げを看板政策に掲げた菅政権の求めに応じ、昨年末以降、携帯各社の値下げ競争が活発化。武田良太総務相は3月24日の参院予算委員会で「これで終わりとは考えていない」と強調した。一方、ある業界アナリストは「総務省の接待問題で値下げ要求も弱まり、大手3社の値下げ競争は一段落する」とみている。 

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