大手行、振込手数料値下げへ=10月から「銀行間」半減で―地銀収益に影響も 2021年03月18日

 銀行間の資金決済を担う「全国銀行資金決済ネットワーク」(全銀ネット、東京)は18日、銀行間の送金手数料を10月1日から1回当たり一律62円に引き下げると発表した。現行水準の半分以下となる。他行口座にお金を振り込む際に利用者が支払う手数料算定のベースとなっており、大手銀行を中心に今後、個別に設定する振込手数料の引き下げに踏み切る見通しだ。一方、地方銀行では収益への影響を懸念する声も出ている。
 10月からの銀行間手数料半減を受け、全国銀行協会の三毛兼承会長(三菱UFJ銀行頭取)は18日の記者会見で振込手数料の値下げを問われ、「各銀行でビジネスモデルを踏まえた検討が進む」との見通しを示した。
 銀行間手数料は3万円未満が117円、3万円以上が162円で長期間据え置かれていた。各行はこの費用をベースに個別に振込手数料を設定。三菱UFJ、三井住友、みずほの三大銀行の利用者は、現金自動預払機(ATM)でキャッシュカードを使い他行宛てに振り込む場合、3万円未満で220~330円、3万円以上は440円の手数料が掛かっている。
 利用者は恩恵を受けそうだが、大手行から振り込みを受けるケースが多い地銀では、銀行間手数料が収益源にもなっていた。今回の大幅引き下げで「(収益への)影響は小さくない」(全国地方銀行協会の大矢恭好会長)という。 

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