ヤフー・LINEが経営統合=国内最大級のデジタル企業―AI投資5000億円 2021年03月01日

 ヤフー親会社のZホールディングス(HD)は1日、対話アプリ大手のLINEと経営統合した。サービス総利用者が延べ3億人超、時価総額は5兆円規模と国内最大級のデジタル企業が誕生した。今後5年間で人工知能(AI)技術などに5000億円を投資し、電子商取引や金融などのサービスを拡充。米グーグルを含む「GAFA」といった海外の巨大IT企業に対抗する。
 ZHDは「電子商取引」と「飲食・旅行予約」、ITと金融を融合した「フィンテック」、ヘルスケアなど「社会」の4分野を集中領域に設定。AI投資と共に専門家を5000人増やす。顧客サービスを向上させるAI技術を早期に確立し、国内、アジア市場で存在感を高めたい考えだ。
 重複するスマートフォン決済事業では、2022年4月に「LINEペイ」を「PayPay(ペイペイ)」に事業統合する方向で協議に入った。一本化に先立ち、来月下旬以降、ペイペイ加盟店でLINEペイを使った支払いが可能になる。両サービスの利用者数は計7500万人に上り、国内で圧倒的なシェアとなる。他の事業でも統合の是非を検討する。
 共同最高経営責任者(CEO)の川辺健太郎氏(ZHD社長)は1日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大で不安が広がる中、「情報技術で社会を便利にする」と表明。同じく共同CEOを務める出沢剛氏(LINE社長)は「単独ではできなかった新たな価値を創出する」と語った。 

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記者会見で撮影に応じるZホールディングス共同最高経営責任者の川辺健太郎氏(左)と出沢剛氏=1日午後、東京都港区
記者会見で撮影に応じるZホールディングス共同最高経営責任者の川辺健太郎氏(左)と出沢剛氏=1日午後、東京都港区

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