東京株、一時3万円台=30年半ぶり、米株高好感―実体経済と隔たり 2021年02月15日

 週明け15日午前の東京株式市場で、日経平均株価が前週末比400円超値上がりし、一時3万0006円46銭を付けた。日経平均が3万円を超えたのは、1990年8月以来30年6カ月ぶり。前週末に米ダウ工業株30種平均が過去最高値を更新したことなどを好感し、買いが優勢となった。午前の終値は347円11銭高の2万9867円18銭。
 ただ、新型コロナウイルス感染再拡大の影響で、航空や外食などサービス業中心に業績は一段と悪化し、消費マインドも低迷している。主要国の金融緩和策で投資マネーが流れ込み、株価を押し上げている面は否めず、先行きは不透明だ。
 15日の東京市場では、朝方公表された2020年10~12月期の実質GDP(国内総生産)速報値が年率換算で前期比12.7%増となり、企業の設備投資意欲の強さも示され、景気回復への期待感が強まった。半導体関連株や電子部品株が上昇し、前週末に好決算を発表した銘柄にも買いが集まった。米国市場で金融株が値上がりした流れを受け、大手銀行株も堅調となった。
 市場関係者は「米国での追加経済対策の進展や、新型コロナワクチンの国内承認に期待が広がった」(銀行系証券)との見方を示した。
 日経平均は89年末に3万8915円の史上最高値を付けた後、バブル経済が崩壊して下落。リーマン・ショック後の2009年3月にバブル後最安値となる7054円に沈んだ。12年末に第2次安倍晋三政権が誕生し、経済政策「アベノミクス」により15年に2万円台を回復。新型コロナ感染拡大で20年春に急落する場面があったが、各国による金融緩和と経済対策で上昇基調に転じた。 

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一時3万円台を付けた日経平均株価を示す電光ボード=15日午前、東京都中央区
一時3万円台を付けた日経平均株価を示す電光ボード=15日午前、東京都中央区

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