20年経常黒字、13.8%減=新型コロナで訪日客大幅減―財務省 2021年02月08日

 財務省が8日発表した2020年の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支の黒字額は、前年比13.8%減の17兆6976億円となった。新型コロナウイルスの感染拡大で訪日外国人旅行者が大幅に減少。旅行収支が過去最大の落ち込みとなるなど、サービス収支が赤字に転じたことが響いた。
 経常黒字の減少は2年ぶりで、15年以来の低水準だった。訪日客が前年比で87.1%減となり、訪日客消費から日本人の海外旅行での消費を差し引いた旅行収支の黒字が5621億円と79.2%減少。これを受け、19年に初めて黒字となったサービス収支は3兆5362億円の赤字となった。
 輸出額は、自動車や自動車部品などの減少で11.4%減の67兆3277億円。一方、輸入額はエネルギー価格の下落を背景に15.0%減の64兆2820億円となり、輸出額の減少幅を上回った。この結果、貿易収支は3兆457億円の黒字となり、黒字額は前年の約8倍に増加した。 

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国際貿易港の東京港にある大井コンテナ埠頭(東京国際コンテナターミナル)と貨物船
国際貿易港の東京港にある大井コンテナ埠頭(東京国際コンテナターミナル)と貨物船

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