20年の粗鋼生産、51年ぶり低水準=16%減、コロナで高炉休止 2021年01月22日

 日本鉄鋼連盟が22日発表した2020年の粗鋼生産量は、前年比16.2%減の8319万トンだった。高度成長期の1969年(8216万トン)以来、51年ぶりの低水準。新型コロナウイルスの感染拡大で、自動車など製造業が工場の操業を停止。需要の急減に伴い、鉄鋼各社が高炉を一時休止したことが響いた。
 昨年4月の緊急事態宣言後、高炉は国内25基(当時)のうち、ピーク時は8基が停止。6月の粗鋼生産量は前年同月を4割近く割り込み、リーマン・ショック後の09年以来となる厳しい落ち込みを記録した。
 20年の粗鋼生産量を鋼種別に見ると、自動車などで使われる特殊鋼が前年比26.4%減と、影響が大きかった。建設や土木の使用が多い普通鋼は13.0%減だった。 

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