20年の貿易収支、3年ぶり黒字確保=コロナで停滞も対中輸出増 2021年01月21日

 財務省が21日発表した2020年の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6747億円の黒字を確保した。年間での貿易黒字は3年ぶり。世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響から貿易は停滞。欧米向け自動車などが低迷し、輸出額は前年比11.1%減の68兆4067億円と2年連続で減少した。
 輸出額の減少幅は、09年(33.1%減)以来の大きさだった。地域別に見ると、米国が17.3%減、欧州連合(EU)が14.6%減と大幅なマイナス。コロナ禍からいち早く経済が持ち直した中国向けは2.7%増の15兆829億円と2年ぶりにプラスに転じ、比較可能な1979年以降で2番目の高水準だった。
 品目別では自動車が20.0%減ったほか、自動車部品、軽油なども不振だった。
 20年は輸入額も原油をはじめエネルギー関連の減少に伴い13.8%減の67兆7320億円にとどまった。
 同時に発表した20年12月の貿易収支は7510億円の黒字。輸出は前年同月比2.0%増と25カ月ぶりに増加し、プラスチックや非鉄金属が堅調だった中国向けが10.2%伸びた。輸入は11.6%減だった。 

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