昨年11月の経常黒字、29%増=輸入減少、3カ月連続プラス 2021年01月12日

 財務省が12日発表した2020年11月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は、前年同月比29.0%増の1兆8784億円の黒字となった。3カ月連続のプラス。輸入の減少により、貿易収支が前年同月の赤字から黒字に転換したことが主因だ。
 貿易収支は6161億円の黒字(前年同月は200億円の赤字)。輸出額が3.4%減の6兆391億円だったのに対し、輸入額は13.6%減の5兆4230億円となった。品目別にみると、輸出では鉱物性燃料や鉄鋼、輸入では原油や液化天然ガス(LNG)がそれぞれ減少した。
 旅行や輸送といった取引の収支を示すサービス収支は、1816億円の赤字。このうち、旅行収支の黒字額は87.9%減の276億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う訪日外国人旅行者の急減が響いた。
 企業が海外から受け取る配当や利子収入などを示す第1次所得収支は、17.8%増の1兆7244億円の黒字となった。証券投資収益の黒字幅が拡大した。 

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