地方発DXのアジア連携支援=脱炭素やヘルスケアなど5分野―枠組み創設へ・政府 2021年01月05日

 政府が民間デジタル事業の発展を目指し、地方の中堅企業と、アジアなど海外のスタートアップ企業の連携を支援する新たな枠組みを2月に創設することが5日、明らかになった。アジアではデジタル技術で既存制度を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速。商品・サービスの共同開発などを通じて日本勢の改革を促す。菅政権が掲げる「脱炭素」や新型コロナウイルス禍で重要性が増した「ヘルスケア」など5分野を重点的に支援する。
 新たな枠組みは経済産業省が主導。専門家の助言の下、商談会の開催や市場調査を通じて、主に地方中堅企業と独創的なサービス・技術を持つ海外新興企業をマッチングする。橋渡しなどにより、具体的な商品・サービスの共同開発や相手先への出資、M&A(合併・買収)を後押しする。
 DXが進むシンガポールやインド、インドネシア、ベトナム、オーストラリア、イスラエルの企業が主な対象になる見通しだ。
 日本は脱炭素で2050年までに温室効果ガス排出量を「実質ゼロ」に抑え込む公約を掲げた。政府は大型風車関連の技術力向上をてこに洋上風力発電の普及を目指している。新たな枠組みで日本の関連部品・素材メーカーのDXと海外展開につなげ、シェア拡大を図りたい考えだ。
 5分野は他に、次世代の「モビリティー(移動手段)」、コロナ禍でデジタル化が進む「小売り」、農業とデジタル技術を融合する「アグリテック」。アジアでは5分野のデジタル化に伴い新サービスが相次ぎ生まれている。 

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